徹夜ポケット

作文の練習

見る方の夢

  夢見はあまりよくない方だと思う。今日はとても恥ずかしい寝起きだった。

 

  今日の夢はSFサバイバルもので、未知のウイルスに侵された人間が突然人を襲い始める。その火事場に出くわした私は、命からがら避難地区で暮らし始めるのだが、そこで最悪の寝起きにつながることが起こった。なぜか自室の前で昼寝していた私は、ものすごく気色の悪い小太りの男に添い寝されていることに気付く。白いトレーナー1枚と、青いステテコ姿の男だった。頭頂部は禿げ上がっていて、絵にかいたような生理的嫌悪感の塊だった。事態に気付いてすぐ私は一度自室に戻った。しかしなぜか、もう一度部屋を出て横たわったままのブ男を見にもどった。そうするとにわかに恐怖感が押し寄せてきて、すぐに部屋に戻らねばと思ったのだが、自室の玄関を閉めようとしたとき、ブ男は起きて私の部屋に押し入ったのだった。恐怖で体も動かなかったし、声も上ずってしまって上げられない。男が私の手をつかんだ。力が抜けて振りほどけない。これからどんな恐ろしいことが起こるのか。男が何か言ってるようだったが、あまりの恐怖でわからなかった。普通だったらなすすべなく襲われる状況だった。しかしここで私は自分に発破をかけた。出ない声をふり絞って叫んだ、「ぶっとばすぞこの野郎」と。そして右足をあげて男の腹を声を蹴とばした。男は吹っ飛んだ。

と、ここで気付いた。朝の5時に、私はベットの上で右足を振り上げて、馬鹿でかい声で「ぶっとばすぞこの野郎、うおー」、と叫んでいたのである。ベランダの窓を網戸にしていたので、もう隣人とは顔を合わせられなくなった。

 

  私はよくこういう壮絶な夢を見る。小さい頃もこんなことがあった。なぜか自分が逆立ちの状態で死なないと世界が滅びるという夢をみて、気づいたらベットの上で泣きながら逆立ちしようとしていたのである。親は本当に心配そうな顔で私を見ていた。もちろん、幸せな夢も見ることはあるが、圧倒的に上の2つのような、命がけのものばかり見る。夢は自分の深層意識を表す、みたいなことを聞きかじったことがあるが、だとしたら自分の頭の中は一体何と戦っているのだろう。みなさんの夢はどんなものだろうか。

 

  さて、タイトルを単に「夢」としなかったのは理由がある。見る方の夢もあれば、かなえる方の夢もあるからである。今回はその話も書きたかった。後者は程度の違いはあっても、少なからず障害があるものだろう。それこそ、今回の「ぶっとばすぞこの野郎」で頑張らないといけない事が多いと思う。なかなかしんどい夢である。しかし見る方は、うまくいけば自分の幸せだけを映す。かなえる方の夢の道中、それこそしょっちゅう見るものなのだから、夢見だけは、平穏なものを見せてほしいものである。どうか皆さんも、これからいい夢が見れますように。

 

  久しぶりの投稿になったが、意外と見に来てくれる人がいてびっくりしている。このブログもかなえる夢に向けた1つの壁なので、遅筆ながら頑張っていきたい。読んでくれたかた、ありがとうございます。

 

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